2009年07月08日

中国の陰

ウイグル暴動

胡主席がサミット欠席、帰国…暴動に危機感
【北京=関泰晴】新華社電によると、主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)に出席するためイタリアを訪れていた中国の胡錦濤国家主席は8日、新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチの暴動を受けて予定を中止し、急きょ帰国の途に就いた。

中国首脳が重要な国際会議を欠席し、外交日程を中止して帰国するのは極めて異例の事態だ。同自治区の民族対立問題が予想以上に深刻化し、指導部が危機感を強めていることを示している。

イタリアのANSA通信は、胡主席が帰国する理由に関し、ローマの中国大使館員の話として「内政問題と新疆情勢に対応するため」としている。サミット関連の行事には、外交担当の戴秉国(たいへいこく)・国務委員(副首相級)が代理で出席する。

胡主席は5日にイタリアに到着し、公式訪問を開始した。ウルムチの暴動は同日発生し、これまで死者が156人に達したほか、7日には漢族数千人によるデモ一部が暴徒化し、ウイグル族の商店を襲うなど民族対立が激化している。

暴動の背景にある中国の少数民族に対する人権問題などで、国際社会の批判も高まりつつあり、サミットでも取り上げられるのは確実な情勢だった。このため胡主席の帰国は、暴動の対処で自ら陣頭指揮を執る一方、会議を欠席することで、サミットでの批判をかわす狙いもあるとみられる。

サミットでは、8日に中国を含めた新興国の首脳会議、9〜10日には主要8か国と新興5か国などを交えた拡大会議が開かれ、世界経済や地球温暖化問題を討議する予定だ。中国の存在感が高まる中での胡主席の欠席は、サミット全体の議論にも影響を与えそうだ。
(2009年7月8日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090708-OYT1T00433.htm

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建国60年 当局衝撃…新疆・ウイグル族暴動
中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ5日夜に発生した大規模暴動は、建国60周年を迎える10月を前に引き締めを強化してきた中国当局に衝撃を与えた。暴動に至る経緯を巡り、在外ウイグル人組織との見解も対立。経済支援を中心とする「アメ」と独立運動の取り締まりという「ムチ」を使い分けてきた中国政府の少数民族政策は、チベット自治区に続いて大きなほころびを見せている。【ウルムチ浦松丈二、ベルリン小谷守彦、服部正法】

◇テロ対策くぐり組織化
今年1月、新疆ウイグル自治区イリで警察や武装警察など治安当局が連携しての反テロ演習が行われた。テロ犯による奇襲、爆破、放火などに対応する総合的な訓練の風景が大きく報じられた。自治区では定期的にテロ対策演習を実施したり、「テロの拠点」を検挙するなど、厳格な監視を実施していることをアピールしてきた。

同自治区では新疆の独立を綱領に掲げる「東トルキスタン・イスラム運動」などの組織が活動している。中国政府はこれらの組織がアフガニスタンで軍事訓練を受け、国際テロ組織から資金も提供されていると指摘。国際社会ではウイグル人の民族運動との見方も根強かったが、中国公安省は03年12月にはこれらを「テロ組織」に指定した。少数民族の研究者によると、中国当局は90年代後半から同自治区内にいる独立支持者の組織化を徹底的に阻止してきた。

一方で、中国政府は00年に同自治区を含む西部大開発戦略をスタートさせた。経済発展の立ち遅れた西部地区の開発を重点的に行い、東部沿海地域との格差を是正するほか、経済発展で少数民族の分離・独立活動を抑え込む狙いがあった。

中国政府は2011〜2020年の新たな西部大開発計画を早ければ年末までに発表する予定だ。しかし、経済発展は少数民族の生活に携帯電話やインターネットの普及をもたらした。08年3月に中国チベット自治区などで発生した大規模な暴動も、携帯電話やネットを通じて世界に情報が流れた。今回の暴動でもネットが大きな役割を果たしている。

中国当局はテレビやネット、電話を遮断するなどして情報統制に躍起になっているが、効果は限定的だ。情報統制の網の目を抜けた少数民族の組織化は、中国当局にとって大きな脅威となっている。

今回の暴動を受け、中国当局は新華社通信の英語版で暴動を詳しく報じるとともに外国メディアの取材も受け入れる姿勢を見せている。ウイグル族のデモ参加者による襲撃で漢族住民が被害を受けたとの構図を強調する狙いがあるとみられる。

◇漢族と格差に不満
亡命ウイグル人で組織する世界ウイグル会議(本部ドイツ・ミュンヘン)によると、ウルムチでのウイグル族住民の死者数は500〜600人、負傷者は1000人以上に上るという。

本部事務局の通訳メメトさん(35)によると、5日午後、ウルムチの人民広場で学生約100人が平和的なデモを始めた。警官隊が現れ、デモ参加者に発砲、学生3人が死亡した。住民や通行人がデモ隊に加勢し、参加者は2万人近くに。一部の参加者は商店に放火。警察車両が女性や子供をひいたことに抗議して警察車両を次々にひっくり返した。

デモの引き金は、中国広東省の玩具工場6月26日に発生したウイグル族に対する襲撃事件だったという。世界ウイグル会議は、事件捜査と事態解明を中国政府に求めるとともに、各国の在外中国大使館や総領事館前で7月3日に一斉デモを行うようにウェブサイトで呼び掛けた。亡命ウイグル人が呼び掛け対象だったが、米独、カナダ、日本などでのデモに続き、ウルムチでも学生らが応じた。

世界ウイグル会議の日本での全権代表で、日本ウイグル協会会長のイリハム・マハムティさん(39)は「中国共産党の圧政がもたらした」と述べた。イリハムさんは「(自治区の)ウイグル人は仕事がなく生活できない。働ける人の80%程度が失業状態ではないか。一方で、天然資源が豊富なウイグル(自治区)に、中国政府の呼び掛けで入ってくる中国人(漢族)は仕事を得ている。このような面への不平、怒りが頂点に達した」と分析した。

新華社通信が、世界ウイグル会議が暴動を主導したと伝えた点について「真っ赤なうそだ。昨年、(チベット自治区での暴動を)ダライ・ラマが計画したなどと中国側は言った。常に我々のせいにしてきた」と強調した。

◇「アメ」経済政策 富の分配届かず
少数民族問題に詳しい星野昌裕・南山大准教授(現代中国政治)は「中国政府は、ウイグル人の独立運動発生の背景として宗教と経済発展の遅れがあると認識している。イスラムに対する規制を行い、自治区を豊かにしようとしてきた。しかし、富の分配はウイグル人に行き渡っていない」と指摘。「今回は早い段階で現地の映像が出たが、漢族の被害が強調される内容にも見える。『悪質な刑事事件』というイメージを強調し、国際社会に正当性を訴えようとしているのではないか」と分析。「中国は世界ウイグル会議を名指しで非難しているが、交渉相手がなくなり、引き締め政策を続けざるを得ない可能性もある」と話した。

◆新疆ウイグル自治区を巡る最近の動き◆
● 1992年2月 ウルムチでバスの無差別爆弾テロが起き、乗客6人が死亡
● 97年2月 伊寧でウイグル族が漢民族支配に対する抗議デモを行い警官隊と衝突、10人以上が死亡。亡命ウイグル人組織「東トルキスタン協会」は「150人以上が死亡」と発表
● 2003年10月 独立運動組織「東トルキスタン・イスラム運動」の指導者ハッサン・マフスム氏をパキスタン軍が射殺
● 04年4月 世界ウイグル会議がドイツで発足
● 08年3月 著名な慈善事業家が拘束されて死亡したことに対する抗議デモがホータンで発生
● 8月4日 カシュガルの国境警備隊施設が2人組に手投げ弾で襲われ、警官17人が死亡。ウイグル族2人が翌年、死刑に
● 10日 クチャ県で武装集団が県公安局を手製爆弾で襲撃。容疑者10人と警備員1人が死亡
● 12日 カシュガル郊外の検問所で治安要員3人が刺殺される
● 09年7月5日 ウルムチで大規模暴動が発生
(2009年7月7日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20090707k0000m030137000c.html

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