2008年10月24日

「東大阪リンチ殺人」事件経緯


「東大阪リンチ殺人」

〈 事件経緯 〉

2006年6月、大阪府東大阪市にある私立大学生ら男性3人が女性関係を巡るトラブルから、岡山県内で男十数人から集団暴行を受け、うち2人が行方不明になっていることがわかった。
ただ1人解放された同府内の会社員(21)の証言から事件が発覚。

集団暴行受け2人不明
解放された会社員の証言によると、岡山県出身の大学生から「(女性関係のトラブルについての)慰謝料を払うので実家がある岡山まで来てほしい」と呼び出され、行方不明になった大学生と知人の男性(21)とともに、岡山市の山陽自動車道岡山インターチェンジに車で到着したところ、男ら十数人に拉致され、19日未明、玉野市の産業廃棄物処理場で、暴行を受けた。

大学生と男性はゴルフクラブで殴られるなど激しくリンチを受け、意識もうろうとなっていた。その後、大学生は、掘ってあった穴に入れられたように見えた。男性は車に押し込まれて連れ去られたという。
(2006年6月24日 読売新聞抜粋)

主犯格・小林竜司容疑者出頭

20070915-02

指名手配されていた小林竜司容疑者(21)は25日未明、岡山県警に出頭した。府警は週明けにも殺人容疑で不明の大学生らの捜索に乗り出す。
◆ 他の逮捕者3名
東大阪大学(大阪府東大阪市)の3年で、同市の佐藤勇樹容疑者(21)・大阪市平野区のアルバイト徳満優多容疑者(21)と奈良市の無職佐山大志容疑者(21)の3人の男を逮捕。

「彼女に手を出した」発端、恐怖から暴走?!
大阪府東大阪市の男子大学生(21)ら2人が集団で暴行を受けて行方不明になっている事件は、当初、女性関係をめぐるささいなトラブルだった。なぜ、2人の殺害が疑われる凶悪な事件にまでエスカレートしたのか。
「相手側が暴力団関係者を名乗り、自分の身が危ないと思った」。主犯格とみられる小林竜司容疑者(21)は逮捕前、「恐怖」を母親に打ち明けていた。

今月15日、行方不明になっている東大阪大3年の男子学生は、徳満優多容疑者(21)ととっくみあいのけんかになった。
「オレの彼女に手を出した」
男子学生の交際していた女子学生(18)と徳満容疑者がメールのやりとりをしていたことが理由だった。
徳満容疑者はかつて同大短期大学部に通っており、男子学生と顔見知りだった。この1対1のけんかが次第に周囲を巻き込んでいく。

けんかの2日後、徳満容疑者は同郷の友人で同大3年の佐藤勇樹容疑者(21)と布施署に恐喝などの容疑で被害届を出した。
届け出などによると、2人はけんか翌日の16日、行方不明になっている男子学生と無職男性(21)ら計5人から暴行されたうえ、車で約5時間にわたって連れ回され、ガソリン代として約5千円を取られたという。
さらに、「次の週までに慰謝料として50万円持ってこい」と脅された。この時、無職男性は山口組系暴力団の関係者を名乗ったという。
「慰謝料」を求められた徳満容疑者らが頼ったのが、佐藤容疑者の中学時代の同級生の小林容疑者だった。
小林容疑者は地元の友人を集めた。

小林容疑者らは18日夜、「慰謝料を払います」と言って男子学生ら3人を地元の岡山に呼び出し、9人で待ちかまえた。

岡山市の路上や玉野市の公園で行われた暴行は凄惨(せい・さん)をきわめた。ゴルフクラブや特殊警棒、金づちで頭や腹を殴り、さらに近くの産業廃棄物処理場に移った。だれかがパワーショベルで穴を掘った。「埋めたる」と言いながら殴り、血を流して意識がもうろうとした男子学生は穴に倒れ込んだ。その上に、土がかけられたという。

暴行を受けた後に解放された会社員(21)によると、無職男性は車のトランクに詰め込まれ、処分場を出た。いったんトランクから出され、小林容疑者がたばこを吸わせた。男性は恐怖で震えていたという。

事件後の23日午後、小林容疑者は自首を勧める母親に、電話でこう打ち明けた。「友達から困っていると相談を受け、相談に乗っているうちに殺してしまった」「もう1人殺してから自首する」

25日未明、小林容疑者は母親らに付き添われ玉野署に出頭した。
(2006年06月26日 asahi.com)

◆ 犯行メンバー全員逮捕
警察は、犯行メンバー9人のうち、捕まっていない2人の行方を追っていましたが、28日未明、大阪府立大4年の廣畑智規容疑者(21)と大阪商業大4年の白銀資大容疑者(22)の2人を逮捕。これで9人全員が逮捕された。

行方不明になっているのは、東大阪市の同大学4年藤本翔士さん(21))と、奈良県大和郡山市の無職岩上哲也さん(21)

資材置き場は、岡山市と同県玉野市境の山間部にあり、捜査員ら65人が捜索。
2遺体は5メートル離れた深さ1潤オ1・5メートルの土中から、それぞれ見つかった。いずれも顔が腫れ上がるなど損傷しており、捜査本部は28日に司法解剖し、DNA鑑定などで身元を特定する。

藤本さんとみられる遺体は、うつぶせに倒れた状態で黒の上下のジャージーを着てスニーカーをはいていた。
小林容疑者は、被害者の中でただ1人解放した男性会社員(21)に「お前がとどめを刺せ」と強要、瀕死(ひんし)の藤本さんに向けて石を投げさせ、自らも大きな石を投げつけたとされるが、遺体の周囲からは、犯行状況を裏付ける大小多数の石も見つかった。
岩上さんとみられる遺体は、頭の上で両腕を縛られたままで、着ていた緑色Tシャツの肩口が大きく破れていた。

小林容疑者が男子学生について「殺そうと思って生き埋めにした」と殺意があったことを認める供述をしていることが判明。
別の行方不明の無職男性(21)についても「縛ったまま生き埋めにした」と話しており、府警は同容疑者が2人を暴行する中で、殺害の意思を固めたとみて調べる。

「生き埋め」2遺体を司法解剖、窒息死と断定
大阪府東大阪市の大学生ら2人が岡山県内で生き埋めにされたとされるリンチ殺人事件で、大阪、岡山両府県警の捜査本部は28日、27日の捜索で主犯格の無職小林竜司容疑者(21)(暴力行為容疑で逮捕)の供述通り岡山市内で発見された2遺体を司法解剖した。

鼻や気道に土が詰まっており、いずれも、生き埋めにされたことによる窒息死と断定した。

遺体のうち1人を無職岩上哲也さん(21)(奈良県大和郡山市)と確認した。もう1人も、東大阪大4年藤本翔士さん(21)(東大阪市)とみて確認を急ぐ。遺体発見場所の周辺では、所持品が見つかっておらず、捜査本部は、暴行された際に奪われた可能性もあるとみている。

一方、捜査本部の調べに対し、小林容疑者は殺害に至る経緯について「暴行しているうちに、興奮して歯止めがきかなくなった」と供述しているが、他の仲間も「そこまでやるとは思わなかった」と話していることが分かった。
捜査本部は、集団心理で暴行をエスカレートさせた疑いが強まったとしている。

捜査本部によると、グループ9人が事前に殺害を計画した形跡はなかったという。
(2006年6月28日 読売新聞)
暴行殺人生き埋め、残る1遺体は藤本さんと確認

藤本翔士さん  岩上哲也さん

広畑容疑者が当初、事件主導の疑い
東大阪市の東大阪大生ら2人が9人グループ(全員を暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕)に暴行され、生き埋めにされ死亡した事件で、逮捕された大阪府立大3年の広畑智規容疑者(21)が当初、事件を主導していた疑いが強いことが分かった。大阪、岡山両府県警合同捜査本部の調べに複数の容疑者が供述した。

広畑容疑者は現場から帰阪する際、「あそこまでやるとは」と動揺しており、捜査本部は、広畑容疑者が計画した暴行事件が、実行役リーダーの小林容疑者の“暴走”でエスカレートしたとみて、9人の関係の解明を急ぐ。

佐藤容疑者側は藤本さんらから、トラブルの慰謝料として現金を要求され、その対応を相談したのが同郷の小林、広畑両容疑者らだった。

供述などによると、広畑容疑者は、藤本さんらを最初の暴行現場となった岡山市に車で誘い出す方法を考え、細部にわたってメンバーに指示していた。
また、集団暴行を受けた3人のうち1人の男性(21)を解放する際、広畑容疑者は運転免許証をコピーさせて受け取るなど、事件発覚を防ぐための手だても考えていたという。

複数の容疑者が「広畑容疑者が主に計画した」と供述した。
(2006年7月1日 毎日新聞抜粋)

広畑智規容疑者被害届取り下げ指示、発覚遅らせる狙い
リンチ計画全般を統括していた大阪府立大3年広畑智規容疑者(21)(暴力行為容疑で逮捕)が、東大阪大3年佐藤勇樹容疑者(21)(同)らに、男子学生らから受けた暴行の被害届を警察に提出させ、事件後、取り下げるよう指示していたことが、大阪、岡山両府県警の合同捜査本部の調べでわかった。
取り下げは、事件発覚を遅らせるためだったといい、仲間のリーダー的存在だった広畑容疑者が深く関与していた構図が、改めて浮かび上がった。
(2006年7月3日)

府立大生廣畑智規容疑者、「すべて立案」と主導認める
大阪府東大阪市の集団リンチ殺人事件で、大阪府立大3年の廣畑智規容疑者(21)=暴力行為容疑で逮捕=が捜査本部の調べに対し、「集団リンチの計画はすべて自分が立案した。仲間にも計画を話し、実行に移すよう指示した」と容疑を認める供述を始めたことが8日、分かった。
捜査本部は今週中にも廣畑容疑者らを殺人容疑などで再逮捕する。

調べでは、廣畑容疑者は6月16日、中学時代の同級生だった東大阪大3年、佐藤勇樹容疑者(21)=同=から大学内の男女関係をめぐり藤本さんらから脅されていることを聞かされ、報復を決意。翌17日、同じ中学出身の無職、小林竜司容疑者(21)=同=に「(2人を誘い出す)いい案が思いついた」と携帯メールを送るなどして計画を説明した。

事件後の警察への出頭についても小林容疑者らに指示し、「おれの名前だけは死んでも出すな」と念を押していた。
(2006年7月9日)Sankei Web一部引用)

「もっと深く掘れ」
府立大生廣畑智規容疑者は「(暴行を)もうやめようと何度も言ったが無視された」と9容疑者でただ1人否認を続けていたが、供述を一転させた。

調べでは、広畑容疑者は6月19日未明、岡山市の資材置き場で、重機で藤本さんを生き埋めにする穴を掘っていた仲間に「もっと深く掘れ」と指図し、周辺への見張り役の配置を指示。事件発覚後も、「死体を掘り起こして焼いてしまえば、警察に捕まっても大丈夫」と提案していたという
(2006年7月10日)

殺害容疑で9人全員再逮捕へ・共謀と判断
大阪・岡山両府県警の合同捜査本部は、岡山市の無職小林竜司容疑者(21)ら集団暴行に加わった計9人=暴力行為等処罰法違反(集団暴行)容疑で逮捕=全員を来週初めにも殺人容疑で再逮捕する方針を固めた。

また、捜査本部によると、集団暴行のきっかけは、藤本さんらが岡山市に到着して小林容疑者らと口論になった際、殺害された無職岩上哲也さん(21)が知人の暴力団関係者に携帯電話で連絡しようとしたことだったことも判明した。
(2006年7月11日)

リンチ殺人に暴力団関係者関与?
「金奪えと指示」
主犯格の1人の無職小林竜司容疑者(21)(暴力行為容疑で逮捕)が、大阪、岡山両府県警の合同捜査本部の調べに対し、被害者の無職男性を殺害前に自宅に拉致した理由について「ヤミ金融で借金漬けにして金を奪えと、暴力団関係者から指示された」と供述していることがわかった。

無職男性が瀕死(ひんし)状態となり断念したが、捜査本部は、殺害についても暴力団関係者が指示した疑いがあると判断し、この人物の特定を急いでいる
(2006年7月13日)

9人を殺人容疑で再逮捕
大阪府東大阪市の大学生ら2人が生き埋めにされたリンチ殺人事件で、大阪、岡山両府県警の合同捜査本部は17日、無職小林竜司(21)、大阪府立大3年広畑智規(21)、東大阪大3年佐藤勇樹(21)(退学処分)、大阪商業大4年白銀資大(もとひろ)(22)、アルバイト従業員徳満優多(21)、無職佐山大志(21)各被告と、16歳、17歳の無職や派遣社員などの少年3人を、東大阪大4年藤本翔士さん(21)に対する殺人容疑で再逮捕した。
(2006年7月17日)

2人目殺害指示の暴力団関係者を手配へ
主犯格の1人とされる無職、小林竜司被告(21)の知人で岡山県内に住む30歳代の暴力団関係者の男が、2人目の被害者となった奈良県大和郡山市の無職、岩上哲也さん(21)の殺害を具体的に指示するなど深く関与していた疑いが強まり、大阪、岡山両府県警合同捜査本部は5日、殺人容疑で7日にも男の逮捕状を取り、指名手配する方針を固めた。男は事件後、行方が分からなくなっているという。

調べでは、男は小林被告が岡山県内の風俗店で働いていたときの知り合いで、地元の暴力団と関係があったとされる。

小林被告は岩上さんを車のトランクに監禁し、男に相談した際、男から「金が取れないなら連れてこんでいい。警察に通報されるとまずいので、生きて帰さず処分しろ」と指示され、同被告と無職少年の2人が20日未明、資材置き場で岩上さんを生き埋めにしたという。

捜査本部は、小林被告への男の指示が、岩上さんの殺害に極めて重大な影響を与えた点に注目。殺害の実行に直接関与していなくても共謀共同正犯に問えると判断し、逮捕状の請求に踏み切る方針だ。
(2006/08/05)

拉致指示の疑いで無職男逮捕
大阪の大学生ら2人が生き埋めにされたリンチ殺人事件で、大阪、岡山両府県警の合同捜査本部は10日、2人目の犠牲者となった無職岩上哲也さん(21)を拉致するよう主犯格の小林竜司被告(21)(殺人容疑で再逮捕)に指示したとして、岡山市花尻あかね町、無職岡田浩次容疑者(33)を監禁容疑で逮捕した。
(2006年8月11日 読売新聞)

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◆ 主犯格逮捕・凶行…信じられない 玉野の同級生ら驚き
主犯格の小林竜司容疑者(21)は凶悪な素顔を見せる一方で、高校まで過ごした玉野市の同級生らは「面倒見がいい」「悪いことができないタイプ」と驚きを隠さない。

「ささいな校則違反はあったが、気弱で目立つ存在ではなかった」小林容疑者が通った玉野市の当時の中学教諭=40代=はいまだに信じられないという様子。

地元住民によると、小林容疑者は3人兄弟の長男。同市内で母親を含めた4人で暮らし、中学時代には2人の弟の手を引き、買い物に行っていた。地元の定時制高校に進んだが、中退。露天商などの職を転々とし、建設会社のアルバイトでは重機の操作法も学んだ。最近、仕事を探すため1人で岡山市に引っ越した。

小林容疑者は普段はやさしいが、怒ると人が変わったという。
弟は「『けんかした理由が男らしくない』と言われ、ボコボコに殴られたことがあった」と話す。

一方、集団暴行に加わったとされる小中学校の同級生の佐藤勇樹容疑者(21)=東大阪市=は、中高校で生徒会長を務めるリーダー的存在だった。
2005年の玉野市成人式では代表あいさつに立ち、「出会いや感動を大切に日本人の誇りを持って進みたい」と決意を述べた。

事件は、大阪で佐藤容疑者が不明の大学生らから暴行を受け、相談を持ち掛けられた小林容疑者が報復を計画したとみられている。

◆「自首を」母諭す
小林容疑者の母親(45)=玉野市=は25日、山陽新聞社の取材に応じ、同容疑者が玉野署に出頭するまでのやり取りを明らかにした。

母親によると、23日夜、同容疑者から「1人か2人殺して玉野の山中に埋めた」と携帯電話に連絡があり、「本当なら自首するように」と諭した。いったん音信が途絶えたが、翌24日夜に再び電話で話した際、「これから自首する。一緒に来てほしい」と求められ、自宅近くの神社で合流し、車で同署に向かった。

母親は「料理を作ってくれたり、弟の面倒をみる優しい子だった」と述べた。
その弟にも22日ごろ、小林容疑者から「自分のプライドで人を殺した。迷惑かけるなあ」と電話があったという。
(2006年6月25日 山陽新聞一部抜粋)

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